生活習慣病・代謝

境界型糖尿病(糖尿病予備群)

糖尿病と正常のあいだの段階。ここで手を打てば、糖尿病への進行を抑えられる可能性があります。

境界型糖尿病は、血糖値が正常より高いものの、糖尿病と診断される基準には達していない状態です。健診では「糖尿病予備群」「要経過観察」と書かれることが多く、症状がないため見過ごされがちですが、もっとも対策の効果が出やすい大切な時期です。

どんな状態か

  • 空腹時血糖 110〜125mg/dL
  • ブドウ糖負荷試験2時間値 140〜199mg/dL
  • HbA1c 6.0〜6.4%程度

この段階の方が何もしないでいると、年に数%の方が糖尿病へ移行すると報告されています。一方で、生活習慣の改善によって進行を抑えられることも、複数の研究で示されています。

見過ごしてはいけない理由

境界型は「まだ糖尿病ではない」段階ですが、動脈硬化はこの時期からすでに進み始めていると考えられています。心筋梗塞や狭心症、脳梗塞のリスクは、糖尿病と診断される前から少しずつ上がっていきます。「まだ大丈夫」ではなく「今なら間に合う」ととらえていただきたい段階です。

検査・診断

健診の空腹時血糖やHbA1cだけでは、食後の血糖の上がり方まではわかりません。境界型が疑われる場合には、ブドウ糖負荷試験によって食後の血糖の動きを確認することがあります。この検査で、将来糖尿病になりやすいタイプかどうかがより正確に見えてきます。また、膵臓のβ細胞から分泌されるインスリンというホルモンがどの程度出ているのかもわかります。

あわせて、血圧・脂質・肝機能・腹囲などを確認し、メタボリックシンドロームなどが重なっていないかも調べます。

対策

  • 減量:体重の3〜5%の減少(60kgの方なら5%で約3kg)でも、血糖の改善が期待できます
  • 運動:週3回以上、1回15〜30分を目安に、少しきついと感じる強度で。ウォーキングなどの有酸素運動が適しています
  • 食事:野菜やたんぱく質を先に食べる、清涼飲料水を控える、就寝の2時間前以降の食事を避ける
  • 定期的な検査:3か月から半年に1回は血糖とHbA1cを確認する

この段階では、薬を使わずに経過をみることがほとんどです。

よくあるご質問

予備群と言われましたが、受診したほうがよいですか?

一度ご相談いただくことをおすすめします。どのくらいのリスクがあるのか、何をどこまでやればよいのかは人によって異なります。方向性がはっきりすれば、その後はご自身で続けやすくなります。

どのくらいの間隔で検査すればよいですか?

多くの場合、数か月から半年ごとの検査が目安です。数値の傾向によっては、より短い間隔をご提案することもあります。

当院の診療

当院は糖尿病を専門とし、生活習慣病全般を得意分野としているため、まだ病気になっていない段階の方の相談も大切に考えています。数値の意味をご説明し、生活のどこに改善点があるのか一緒に整理します。

このページの監修

院長 渡辺 真樹子

日本内科学会 内科認定医/日本糖尿病学会 糖尿病専門医

このページの内容は一般的な医学情報であり、特定の診断や治療効果を保証するものではありません。 検査や治療の内容は、症状や経過、他のご病気の有無によって一人ひとり異なります。 実際の診断・治療方針は、診察のうえで判断いたします。